歌詞

電車に乗り損ねた男はホームに唾を吐く

厚化粧の女はベンチでヒールを脱いであくびをひとつ

私は売店で雑誌を買い読む気もないのに

眺めてた

夜を乗せた電車がホームに近づき

最悪だったと呟いた老人

愛されない者の哀しみは

夜の雫に消えてしまう

都会の金切り声はダークサイドブルース

するとネオンが夢見る憂鬱

孤児の涙で家族は描かれる

それが都会の誰かを慰めている

都会の騒ぎは時代の所有物

騒ぎの犠牲者が路地にうずくまる

騒ぎの因果は都会の所有物

そこかしこで人は慈悲を待っている

愛されない者の哀しみは

夜の雫に消えてしまう

月はまんまる私を見る

たじろぐ私は後ずさる

針の落ちる音さえビクつく私

だから昔のようには笑えない

皆さん今夜は次第に冷えていくでしょう

さっきまでいた占い師はもうどこにもいない

何かを見限るように電車は走り出し

冷たい風がビルをすり抜けてゆくのが見えた

愛されない者の哀しみは

夜の雫に消えてしまう