LOCAL IDIOTのジャケット写真

歌詞

彼女の秘密-skit

DORMITORY

彼女はいつも、僕よりも先に待ち合わせ場所にいた。

彼女は僕の視線に気が付くと、小さく手を振ってから、

耳にかけていた青いイヤホンをそそくさと外す。

「待った?」

「全く。」

いつだってそんな会話で、僕たちのデートは始まる。

だから、僕は彼女がいつもどんな音楽を聴きながら待ちぼうけしているのかを、

尋ねるタイミングを見つけられずにいた。

「あのさ、いつも何の曲聞いてるの?」

一度だけ、それとなく尋ねてみたことがあった。

「曲?なにが?」

「なにがって、ほら、今日だって僕と会う前に何か聞いてたじゃん。」

そう言うと、彼女は目をすうっと細めてから、小首を傾げた。

「あー、なんだっけ。忘れちゃった。思い出したら言うね。」

明らかにはぐらかそうとしていることがわかった。

けれど、彼女が忘れたと言った以上、追及することはできなかった。

彼女と出会ったきっかけは、マッチングアプリだった。

デートの約束を取り付けた相手との待ち合わせ場所で、

なんと僕は、人違いで彼女に声をかけてしまったのだった。

「あの、Kさんですか?」

「K?まあ、Kでないことも、ないですが。」

きょとんとした顔で、彼女は片耳からイヤホンを外した。

そういえばプロフィール欄に、“趣味:音楽”と書いてあったっけ。

そんな軽率な判断で僕は彼女をKさんだと思い込み、

そのまま目的地である喫茶店へとエスコートした。

僕が、彼女がKさんではないと知ったのは、

本日本来お会いすべきだった本当のKさんから、

アプリにメッセージが十何通も届いていることに気付いてからだった。

「別にいいよ。はじめはナンパかと思ったけど、本当に勘違いしてるっぽくて面白かったから。」

人違いを陳謝する僕に、彼女はあっけらかんとそう言った。

掴みどころのない、妖艶な雰囲気がそこにはあった。

僕はすぐに、彼女を好きになった。

話しても話しても、というか、話せば話すほど、

彼女の人となりは分からなくなっていった。

端的に言えば、彼女はとてもミステリアスな女性だった。

そんな彼女が、いつも聴いている音楽…。

それがどんなものなのか、気にならないといえば嘘だった。

「あ、充電ヤバいかも。」

それは、僕たちがレンタカーで2時間かけて、

隣の県にある動物園にまで行った日の、その帰り道だった。

意外にも動物好きであった彼女は、

スマホでカバやペンギンの動画を絶えず撮影していた。

デート中はあまりスマホをいじらない彼女が、充電を気にしているのは新鮮だった。

「iPhoneだよね。これ、多分使えるんじゃない。」

言って、僕は車載しているライトニングケーブルを彼女に手渡した。

彼女は「ありがとう。」とそれを受け取ると自らのスマホへ繋いでから、

車窓の向こうへと顔を向けた。

瞬間、耳慣れない音楽が僕たちを包み込んだ。

「え。」

ぎょっとした目で、彼女はこちらを振り向いた。

僕も丁度、彼女に視線を向けたところだった。

何拍かの間を空けてから、僕たちは同じタイミングで真相に辿り着いた。

車内のオーディオパネルに目をやると、

そこには、現在流れているこの曲の情報が表示されており、

彼女のスマホに接続されたケーブルの根本が、

オーディオパネルに繋がっていたことが分かった。

そうか、これが彼女が普段聴いている音楽なのか…

妙なタイミングで、僕がそれまで抱えていた疑問は解消されることになった。

そこには、

『DORMITORY - LOCAL IDIOT』と表示されていた。

  • 作詞

    DORMITORY, こうた

  • 作曲

    DORMITORY, TAICHI KOSHIMURA

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しゃば9951日目
令和6年6月29日(土ようび)

天気
さかさになった天丼(どんてん?)

ドミトリー
うるさい。いいかげん。でもめっちゃ楽しそう(なにそれ)みんなタバコ吸ってる.
Tanaだけ吸ってない(吸え).

けいかくせい
無い。いいかげん。みんな時間守らない。時計がじりじりー!てなってから、ごろごろして、またねて、そしてようやく布団から出る。ばか、うざい.

すき
パチンコ屋さん.

きらい
お仕事。勉強。努力.
コツコツやること。はやくオフロ入っちゃいなさいっていわれること。たぶん、人間として大切なものが欠けてる.
こんな奴らには、何か一つのコトを成し遂げるなんて無理なんだと思う。絶対.


びっくり
なのに.

アルバム
出る.

アーティスト情報

DORMITORY RECORDS

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