Lyric

目覚めたら見たこともない

綺麗で不思議な世界

ここが何処かさえもわからずに彷徨う

「そこの道ゆくお嬢さん。」声をかけてきたのは

少し鼻曲がりの垂れ耳のウサギ

「あの光の向こうに君がいた世界がある。」

「そこまで案内してあげる」と右手を差し出した

『繋いだ手のひらが感じる貴方の感触が懐かしいから、

重ねた左手が感じる温もりを信じたい。決めた。』

「ついていくわ！」

黒い影が手まねいて、空も暗くなってく

この世界が黒く塗りつぶされていく

「あの光の向こう側！振り向かずに走って！」

手を離し私の背中を押した

「ああ。本当は一緒に君と帰りたかったな。」

ウサギは小さく呟きながら時計を取り出した

止まった時計の秒針を回したら光が止めどなく溢れ

消していく”黒い影”も”闇”も

優しく微笑んでみせる”ウサギ”さえも

…目覚めた…白い部屋の中

動かない体　声も出ないけど

気づいた…貴方はいつだって

私を守っててくれた

窓辺に置かれたぬいぐるみ

垂れ耳で鼻が曲がったウサギさん

『貴方が守ってくれたのね？』

閉ざされた　広い部屋　声は

床に落ちた