

淡い光が揺らぐ前の
名前のない静かな気配
風の行方を追いかけていた
まだ誰も気づかないまま
色をなくした足音が
石畳の上に淡く滲む
遠い鐘の余韻だけが
空を撫でていた
揺れない花びら落ちないまま
時の端に触れている
白く霞んだ街の影
灯りは消えずに息をひそめる
触れれば壊れそうなほど
やわらかな夜気
指先に残る微かな温度
言葉にならないその輪郭
誰かの声がかすかに
遠くで揺れている
開きかけた窓の隙間
まだ残る春の匂い
振り返らずに歩いても
記憶は追いつく
名前を呼ぶ気配だけが
胸の奥で波打つ
まだ確かにここにある
それだけでよかった
消えないものは光ではなく
触れた瞬間の静けさ
桜と夜と記憶のあいだ
揺れる色はまだあたたかい
揺らぎかけた世界の端で
唄を胸に抱きしめる
戻らないと知りながらも
確かめるように目を閉じる
重なりあう影の奥に
わたしは息をしている
揺れて揺れて
それでもまだ
ここにある
覚えてる?
答えは風に溶けて
ただやわらかな
粒子だけが残る
遠い空のひび割れも
誰もまだ知らないふり
静まりかえった景色の中
鼓動だけがそこにある
触れた指先すり抜ける
淡い光の名残
この瞬間がうつろっても
唄は消えない
形あるものはいつかほどける
けれど揺れた気配はどこへ行く
息をひそめ耳を澄まし
まだ崩れないこの静寂へ
桜と夜と記憶の唄
揺れて揺れてにじむ前に
残しておくよこのぬくもりを
見えない明日へ手を伸ばして
まだ在る景色を指先でなぞる
光は薄れて
色は滲んで
揺れる花びら 落ちないまま
時を越えずにただうつろう
桜と夜と記憶の唄
まだ終わらないこの呼吸
抱きしめたこの一瞬が
やがて次の世界へうつろう
風が通り過ぎ音だけが残る
桜と夜と記憶の間
揺れながら消えないまま
- 作詞者
神託ROID
- 作曲者
神託ROID
- プロデューサー
神託ROID
- マスタリングエンジニア
神託ROID
- プログラミング
神託ROID

神託ROID の“桜と夜と記憶の唄”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
砕けた月の音
神託ROID
- 2
観測エラーの夜
神託ROID
- 3
消滅可能性都市
神託ROID
- 4
名前を失う風景
神託ROID
- 5
春の墓標
神託ROID
- 6
無響
神託ROID
- ⚫︎
桜と夜と記憶の唄
神託ROID
月が砕ける音から始まる、終わりと回帰の物語。
『うつろいノクタリア』は、
見慣れた景色が、少しずつ遠い記憶へ変わっていく様を描いた、コンセプトアルバムです。
悲しげなメロディと、エレクトロニクスな重低音を重ね、
もう戻れない過去と、やがて訪れる新しい世界の境界を表現しました。
月が砕け、夜は重なり、都市は息を失う。
名前を失った風景の先で、春は墓標のように残され、
最後には、記憶の唄だけが響く。
終わりゆく世界の中で、
それでも残るものを、あなたの耳で確かめてください。
アーティスト情報
神託ROID
神託ROIDは、「ページをめくるように展開する、ノスタルジックな物語アルバム」をコンセプトに活動する音楽プロジェクトです。 人とAIが役割を分担しながら創作を行い、新しい芸術のかたちを探求しています。 ――夜の果て、音は神託となり、あなたの心に降り注ぐ。
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