Lyric

包み込む霧の中に

小川や木々の瑞々しさが

色濃く巡っている

濡れた土の匂い

濡れた苔の匂い

川のしぶきの匂い

濡れた葉の匂い

雨上がりの匂い

取り囲む霧の匂い

収まりきらないほどの

新鮮な微粒子が

見落としそうなほど、たくさん

僕の新しい目を開いて

海の波打つように、たくさん

この緑にあふれた大気の中を

波打っている

この美味しい味を

口で味わうことはできない

理性の次の扉を開き

心のひだを深めるものを

ついぞ絵の中に知らない

この緑溢れる木々と

小川の運ぶ香りの

いつも新しい

境を知らぬ美を

どこまでも伸びる

まことの知を

心を満たす

かすかなものに溢れた

止めどない色彩を