歌詞

月影が滑る坂道　軒先に揺れる橙火

ひそやかな住宅街に　夜の息吹が降り注ぎ

手のひら冷たく　けれど胸はひらく

あなたからの便り　小さな波紋呼び起こす

遠く響く犬の遠吠えも

この灯りに溶け込んで　やさしく抱きしめる

夜空の画面に　瞬く光の粒

「おやすみ」のひと言が　静寂を彩る

映るあなたの影　柔らかな旋律

そっと胸の奥へ　言葉が届いていく

瓦屋根の影絵が　重なり合う頃に

窓辺のレースが　そっと夜風に揺れる

耳にする鍵盤の調べ　幼い記憶辿り

知らせの静けさに　いま私は呼び覚まされる

指先で追いかける　淡い色の便りに

ひらくたび胸が　そっと震えを覚える

夜空の画面で　描く二人の軌跡

飾らぬ言葉たちが　深い闇を照らす

未読のままでも　心は舞い上がり

見えぬ糸が結ぶ　あなたへとつながる

古びた街灯が　ほのかに灯る路地裏

重ねた想いの文字が　波紋のように広がる

たとえ夜が深くとも

画面の向こう側に　確かにあなたがいる

夜空の画面に　浮かぶあなたの微笑

消えかけた小さなしるしが　暖かな灯となる

離れている距離さえ　愛おしく包まれて

ひとりきりの夜が　ふたりの夜へ変わる

夜空の画面で　綴る終わらぬ夜

未完の詩行が　明日へと続いていく

あなたと私のリズムが　夜空をそっと包み

さあ、新しい朝を　共に迎えに行こう

画面を閉じても　残るほのかな温もり

それがまた　明日への燈火になる