灯台と亡霊航路のジャケット写真

歌詞

霧笛と符牒

Story Sound-notes

ブウ——と鳴らないはずの合図

紙の余白で 指が応える

霧の厚みを 拍で測る

三拍置いて ひとつ返す

ページの欄外 短い符丁

「北西一里、未登録」

胸の奥で 灯が縮む

声にしない返事 喉が覚える

読めるか 読める

聞こえるか 聞こえる

帰れるか 帰れる

名はあるか まだない

黒鉛の芯が 海図をなぞり

曲がった線まで まっすぐにする

霧の向こうで 灯が点滅

数字の代わりに ため息三つ

指の温度で 言葉を結ぶ

解かないままの 糸になる

読めるか 読める

聞こえるか 聞こえる

帰れるか 帰れる

名はあるか まだない

符牒はいつも 短いほうがいい

失う前に 届くから

灯の回転 半拍だけずらし

霧の息継ぎを 待って打つ

読めるか 読める

聞こえるか 聞こえる

帰れるか 帰れる

名はあるか 今つける

記録帳の角に 小さな丸印

  • 作詞者

    Story Sound-notes

  • 作曲者

    Story Sound-notes

  • プロデューサー

    Story Sound-notes

  • その他の楽器

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灯台と亡霊航路のジャケット写真

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灯台の記録官である少女が、航路から外れた幽船に“名前”と“帰り道”を返す一夜。

アーティスト情報

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