

灯を守る部屋でだけ 交渉は可能
厚いガラスに 塩が乾き
手の甲の傷が 線を増やす
「名を返して」そう書く代わり
灯芯の長さで 取引をする
油の匂いと 紙の匂い
すべての帰路が ここに集まる
名を返して 代価は灯
燃える分だけ 夜を削る
名を返して 代価は歌
半分の声で 十分だ
窓の外では 波が立つ
ここは静かに 時間が立つ
灯台の心臓 一定の拍
それに沿って 言葉を省く
優しい嘘で 世界は保つ
誰も死なない 量に合わせて
名を返して 代価は灯
燃える分だけ 夜を削る
名を返して 代価は歌
半分の声で 十分だ
芯を短く 火を細く
ガラスに映る わたしの影
「朝になったら 忘れていい」
書かない言葉で 頷いた
名を返して 代価は灯
帰れる分だけ 火を残す
名を返して 代価は歌
半分の声で 十分だ
対価の領収 朝の色
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- 1
灯の回転
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- 2
霧笛と符牒
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- 3
消えた緯度
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- 4
逆潮リール
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- 5
幽船の甲板
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- 6
羅針盤の嘘
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- ⚫︎
灯室の対価
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- 8
沖明けの返礼
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灯台の記録官である少女が、航路から外れた幽船に“名前”と“帰り道”を返す一夜。
アーティスト情報
Story Sound-notes
ダークで少し不思議、でも耳あたりはチル。ローファイ/ヒップホップ/ジャズのエッセンスを少しだけ織り込み、読書・勉強・作業・休憩に寄り添うサウンドをお届けします。童話や旅人、魔女、古書、霧の森……そんな“情景”から生まれた曲や、物語をなぞるプレイリストも公開中。
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