

夜の端から 薄桃の線
灯の回転 遅くなる
ページの余白 広くなる
記録帳の最後の行に
「全船帰港」小さく書く
失った声の 半分だけ
風が埋めて 歌にする
沖明けの返礼を 胸に受け
ここに在ったと 世界へ刻む
呼ばれた名前と 黙った祈り
どちらも海に 返しながら
潮だまりには 空の欠片
針の先には あなたの岸
赤い印は もう要らない
地図の北には 朝がある
「また来なさい」波が言う
灯は静かに 昼の顔
沖明けの返礼を 胸に受け
ここに在ったと 世界へ刻む
呼ばれた名前と 黙った祈り
どちらも海に 返しながら
スタンプ台に 朝の色
蔵書印ではなく 航海印を
丸い世界を そっと押して
“ここにいた”と 今日へ渡す
沖明けの返礼を 胸に受け
また夜になれば 灯を回す
呼ばれた名前を 忘れないで
岸の言葉で 迎えよう
灯の回転 昼へ消える
- 作詞者
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- 作曲者
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- プロデューサー
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- その他の楽器
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- 1
灯の回転
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- 2
霧笛と符牒
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- 3
消えた緯度
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- 4
逆潮リール
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- 5
幽船の甲板
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- 6
羅針盤の嘘
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- 7
灯室の対価
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- ⚫︎
沖明けの返礼
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灯台の記録官である少女が、航路から外れた幽船に“名前”と“帰り道”を返す一夜。
アーティスト情報
Story Sound-notes
ダークで少し不思議、でも耳あたりはチル。ローファイ/ヒップホップ/ジャズのエッセンスを少しだけ織り込み、読書・勉強・作業・休憩に寄り添うサウンドをお届けします。童話や旅人、魔女、古書、霧の森……そんな“情景”から生まれた曲や、物語をなぞるプレイリストも公開中。
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