Lyric

背が高くて　野球部で　活躍していた

自慢の息子は　スマホの待ち受けにしている

急に学校に行かなくなった　特に理由はないみたい

ただ行けなくなった

ずっと部屋にこもって　何をやってるのかわからない

勉強してくれたらいいけど

夫はもうずっと前に　亡くなってしまった

あんまり男のひとの気持ちは　わからない

休みの日　レンタカーで　ドライブに出た

はしゃぐ息子の横顔　まだまだ子供っぽくて

バッティングセンター見つけたから　降りてみた

息子はバット振りかざし　ホームランたくさん打ち込んだ

私もホームランが打ちたくなって　何十年ぶりにバットを振ったらギックリ腰になってしまった

何とか家には帰れたけど

「母さん、おぶっていこうか」　何度も言ってくれた

「母さん、本当にごめんね。学校にはまだ行けないけど」

今日は息子の友達が　二人来てくれた

後で知ったけど　二人とも片親の子だったみたい

息子は嬉しそうで　私も嬉しくなって

お金をあげたら　三人で牛丼を食べに行った

昔、公民館で　障害児たちの合唱を聞いた

私は思いきり泣いた　なぜかわからないくらい

感動や素晴らしいとか　かわいそうとか　そんな陳腐なことじゃなくて

息子はバット振りかざし　ホームランたくさん打ち込んだ

今はもう何も出来ないけど　それで私たちの全てが終わったわけじゃないから

何とか生きて　一日終わった

勉強しなくていい　働かなくていい

本当にやりたくなるまでは

世間に何と言われようが　どう見られようが

どんな手を使っても　私は息子を飢えさせない

レールから外れてしまった　それは私も同じ

だけど私の心の中では　あなたはずっとホームランバッター

レールから外れてしまった　それは私も同じ

だけど私の心の中では　あなたはずっとホームランバッター

あなたはずっとホームランバッター

あなたはずっとホームランバッター