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安易なJ-Pop風のストリングスや、過剰に空間を埋めるシンセのパッド(pad wash)、そして甘ったるいロマンティシズムを徹底的に焼き尽くし、冷徹なまでの素朴さと大人の距離感を形にしたインディー・ポップです。New Waveの骨組みを感じさせるBPM90のスクエアな疾走感。イントロから全編を貫く、微かにコーラスがかかったクリーンなギターアルペジオ(clean guitar arpeggios)と、地を這うようにタイトなアナログのシンセベース(single analog line synth bass)が、狭く乾いた部屋の空気感(dry small room acoustic)を構築しています。
歌詞の核となるのは、皮肉の鎧(irony armor)を脱ぎ捨てた真摯な友人関係。「君は僕のタイプじゃない。だからこそ、下心も期待もなく、ただ君の幸せを純粋に願うことができる。手に入れる必要がないからこそ、壊れない関係がある」。そんな、日常のなかにぽつんと実存する「静かで真っ直ぐな幸福」。マンチェスター特有の気怠いイントネーション(mancunian cadence)を宿した、あえて感情を排したフラットな歌い回し(conversational lyric delivery)は、ピッチ補正(autotune)を完全に拒絶し、生々しい呼吸のノイズを残したまま耳元に張り付きます。中盤のブリッジで、自嘲的なユーモア(self-deflating humor)を交えたモノローグへと雪崩れ込んだのち、最終サビではじめて極小の音量で配置された遠くのコーラス(sparse distant secondary vocal harmony)が参入。最後は余韻に逃げる自動フェードアウトを完全に拒絶し、リフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致を提示する大傑作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。