歌詞

色褪せたゆりかごに刻んだいびつな唄

途切れたまま錆びついた道標

砂漠の海に沈む

ゆらめく蜃気楼に霞むグレヴィレア

砂まみれの蠍は破れた翼で

「飛べるよ」と儚げに誘う

月が照らす紅(あか)は

エフェメラルの爪痕

脆く崩れて融けていく

ひとしずくの夢閉じ込めて

さぁ 幻を抱きしめて

不揃いの現実は残らず破り捨てて

知らないまま通り過ぎるオアシス

カラカラ乾いていく

かすかに光る星に潤むグレヴィレア

一粒の絶望　掬いあげて壊して

「大丈夫」と空虚に惑わす

月が照らす純白(しろ)は

アノニマスの傷跡

消えることなく血を流し

無限に咲く孤独の花は

もう 泡沫に枯れていく

汚れた手にぎりしめて現世(うつしよ)の

漆黒(くろ)に蝕まれてゆくカラダ

蠍は月の光に照らされて

鈍色(にびいろ)に輝く

零れ霞む蠍 剥がれ落ちた翼で

「飛べるよ」と音なく唄う

久遠の金色(カナイロ)は

アデニウムの夢跡

強く根を張り咲き誇る

彼方で光るエンドロールを

追い求めて焦がれて

見上げた空 神はもういない