物書きの落とし物のジャケット写真

歌詞

投影と独白

sidore

失くしものばかり数えてきた人生でした。

暗闇に透ける情景を僕はいつも眺めています。

幼少の記憶に居竦まる僕を満たしているのは、

失った何かと後悔ばかりでありました。

言い淀んだ言葉と降り積もった期待が

澱となって滲んで、また呻吟するのです。

臆病を纏い付けて、寄り添う事象にも背いて、

愚かにも黒い花ばかり僕は摘んでしまうのです。

そんな僕の拠り所は物語の数々でした。

夜中に薄明かりが差すようなお話が好きでした。

それは都合の良い現実逃避だったのかもしれません。

それでも僕はそんな空想に想いを馳せるのです。

ある日、僕は拙くも文章を書き始めました。

いつか憧れた光を探すように筆を走らせました。

けれども書いても書いてもそれは見つからなくて、

いつしか部屋は反故紙で溢れていました。

空想は笑って、棘のある夜を見ていて、

境遇は違えど、同じ表情をしていました。

取り繕ったって本心は透けてしまうのなら、

そんな自己投影を、いつか前向きに。

失くしものばかり数えてきた人生でした。

最近は物語を書いたりしています。

はじめまして。

詩土伶音と申します。

  • 作詞

    sidore

  • 作曲

    sidore

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