物書きの落とし物のジャケット写真

歌詞

雨音を辿る

sidore

教室でずぶ濡れの君を見て目を伏せる。

「教科書が読めなくなったね」って君は笑う。

閉鎖した屋上は泣かない君の雨だ。

あのとき傘を差して隣に居られたらな。

借りたままの小説、好みではない表題。

読みたかった。この先もずっと。

君の好きだから。

放課後は一人きり、記憶に耳を澄ます。

将来の叶わない約束ばかり押し寄せるの。

「人間は嫌いだ」と呟く、君の真似だ。

あぁ、また雨が降る。泣き虫は君だったのにな。

君の忘れ物に返らぬ問いをかける。

「いつかまた」って思ってたのは、

あたしだけだったの?

借りたままの小説、ひとりでにページを繰る。

あとがきに君の字でそっと、

「ごめんね、泣かないで」

君の好きな青の絵を描き続けている。

ほんとは君の本の表紙を描きたかったよ。

  • 作詞

    sidore

  • 作曲

    sidore

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