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大地の底で名もなく息づく無数の声に耳を澄ますような、神道的・アニミズム的な世界観を持つ祭祀音楽です。日本古来の民謡・神楽・祝詞の響きを下敷きにしながら、エーテリアル・アンビエントの靄のような音響空間と溶け合わせ、聴く者を「世界の根」へと沈み込ませていきます。
歌詞では、形を持たず、名も持たず、ただそこに「気配」として在るものたちが詠われます。土の底に眠る声、根と根が絡み合って届かぬ場所へと伸びていく生命の連鎖、一つが枯れて一つが芽吹くその間(はざま)に流れる声――。八百万(やおよろず)の神々が大地に満ち、聴くものも語るものもないまま世界そのものが生きている、というスケールの大きな汎神論的ヴィジョンが、文語調の静謐な言葉で綴られています。
クライマックスでは「命とは声の継ぎ目/死とはまた声の変はり目/終はりなどといふものは/根の声には在りはせぬ」と歌われ、生と死を断絶ではなく“声の変化”として捉える円環的な死生観が立ち上がります。最後は「名もなき声よ/地の底より/今もなほ/響き続けよ」という祈りで閉じられ、聴き手自身もまたその声の連なりの一部であることを静かに気づかせる――そんな儀式的で瞑想的な一曲です。