壊れかけていたんだ。
狂信も愛も変わりはしないさ。
幼子は意思に気づきを得ては、
無意識から意識を奪ったんだ。
首刈りに疲れたんだ。
瞳を持たぬ彼等の号哭は、
脳を掻き毟るように響く。
彼等は願っているって言うのに。
「ユメから醒まして!」
金切り声は僕の意思を無視している。
苛つく心を鎮めるのはただ、
君の甘く微睡んだ声だ。
彼等が穢れているのか?
それか君が美し過ぎたのか。
問う意味すら全てが愚かしい。
願望は渦巻くだけだ。
どうかしている?
この世界はどう映っている?
気色悪いな。
そうだ、もっと醜く死んでくれ。
その方がきっと無難だろ。
斧を手に取って、首に這わせる。
より凄惨な救済を!
斃れ!
斃れ!
斃れ!
斃れ!
こんなモノが命であるはずなんてないんだ。
見てわかるだろう。(笑)
「醒まして!」
「醒まして!」
「醒まして!」
「ごめんね。」
君だけは、その瞳は見えなくとも美しかったよ。
「瞳がなくとも見えるんだ。」
「世界は頭蓋の中にあるんだ。」
君の語りはまるで異常者か?
この瞳はハリボテと言うのか(笑)
それは無償のように思えました。
だから無償で返し続けました。
傷ついた脳は癒されました。
この安らぎを愛と信じました。
信仰を否定するように、
君を殺し続けた惨状に。
芽生えた自我は吐き気と悪意を、
僕に植え付けて芽吹かせたんだ。
根が張り込む脳は強靭に、
金切り声はもはや遠つ国。
癒しは瞳に気付きを与える。
なぜ優しいのか?
ねぇ、どうして?
ねぇ、どうして?
ねぇ、どうして?
ねぇ、どうして?
こんなモノが正気であるはずなんてないんだ。
見てわかるだろう。
「ごめんね。」
「ごめんね。」
「ごめんね。」
「怖いの?」
その瞳は何を見据え、
何を目指していたんだ。
溢れた本音は救いの放棄。
無意識への帰郷。募る疑心。
その全てをたった一言で、
僕の全てを救ってくれた。
逡巡もすぐに終わる。
傷ついた脳は機能しない。
斧を持った。
首と刃に君が割り込んで、囁やく。
「一緒に死んであげようか。」
斃れ!
斃れ!
斃れ!
斃れ!
こんなモノが命であるはずなんてないんだ。
見たくなかったよ。
斃れ!
斃れ!
斃れ!
斃れ!
切り裂いてきた首は、
僕達に祈りを捧げている。
ああああああああああああああああああ
斃れ!
斃れ!
斃れ!
斃れ!
その瞳は見えなくとも
忌まわしかったから、
抉り確かめたんだ。
愛して!
ねぇ、愛して!
ねぇ、愛して。
「ごめんね。」
わかってた。
だからひとつだけ。
もう一度、僕を、無垢にしてください。
- 作詞
除夜
- 作曲
除夜
除夜 の“ユメヲミタノハ (feat. OИE)”を
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