

首筋に触れたとき
君がもう息をしていないと
気づいたはずだったのに
指先がまだあたたかくて
わたしはその嘘に
ひとつ息をついた
窓の外では雲が焼け
壊れた屋上には誰もいない
チャイムだけが何度も鳴って
世界を終わらせたがっていた
ねえ 終わりたいのに
なんでまだここにいるの
焼け跡の匂いが服に染みて
忘れられなくなる
どうかそれでも
きみの名を呼んでいいかな
骨になっても
ゆらめく影になっても
プールに沈んだノート
滲んだ文字の隙間から
かすかに笑う顔が見えた
きっと嘘だと
わかっているのに
その声が優しかった
校舎の裏で うずくまった
セミの亡骸をそっと拾った
ああ あたしもきっと
こんなふうに乾いていくの?
ねえ 愛したいのに
どうして壊していくの
光の粒が指からこぼれて
君の輪郭も溶けた
それでもまだ
名前を呼んでしまうんだ
息が止まっても
心は黙らないままで
ひとつだけ願った
「どうかだれかそばにいて」
ねえ 終わらないのに
夢なら醒めてもいい
まぶたの裏で きみが笑ってる
それでいいんだ
影だけでも
もう一度会えたなら
焼けた空に
ひとつだけ 風が吹く
- Lyricist
PONSUKE
- Composer
PONSUKE
- Producer
PONSUKE
- Programming
PONSUKE

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Whispers of the Wind
PONSUKE