

楽団の隅っこで
僕は出来損ないの歯車だった
指揮棒が指し示す
正解という名の袋小路
錆びついた弦を這う指先は
震えるミミズのようで
「おまえの音には感情がない」と
冷たい月光が譜面台を嗤(わら)っている
三毛猫が持ち込んだ
不協和音の招待状
トマトの味もしない
未熟な夜を噛み砕く
ボロボロのセロは
まるで僕の肋骨だ
叩けば空っぽの音がして
火花が散った
鳴り響け 第六狂詩曲(ラプソディ)
銀河の淵で 僕らは擦り傷を誇る
美しさなんて
後付けの言い訳に過ぎない
ただ、風が吹き抜ける窓辺で
透明な叫びを 木箱に詰め込んで
宇宙(そら)の喉首を
掻き切るように弾け
カッコウが刻むリズムは
残酷なメトロノーム
「ドレミ」じゃない
「僕」という名の音を欲しがった
狸の太鼓が
心臓の裏側をノックする
古い水車小屋の
煤(すす)けた静寂の中で
僕は初めて
自分の血の音を聴いたんだ
小さな野鼠(のねずみ)が運んできた
病める命の 震えるような体温
音楽は救済か
それともただの暴力か
床下に響く振動が
細胞を書き換えていく
理屈じゃない
「ゴーシュ」という名の獣が目覚める
鳴り響け 第六狂詩曲(ラプソディ)
金星を射抜く 猛烈な弓(アルコ)の旋律
完璧な調律なんて
ゴミ溜めに捨てちまえ
ただ、命が燃え尽きる刹那に
一瞬だけ 世界と繋がれるなら
この指が千切れても
僕はまだ弾ける
夜明けの光が
譜面台を白く塗り潰す
「あぁ、あいつか」と誰かが笑う
街角の喧騒
背負ったケースの重さは
昨日より少しだけ軽い
水車が回る
星は消える
僕の胸の中には
消えない残響だけが残る
- 作詞者
SoundWander_OtoLog
- 作曲者
SoundWander_OtoLog
- プロデューサー
SoundWander_OtoLog
- ギター
SoundWander_OtoLog

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第六感狂騒曲
SoundWander_OtoLog
アーティスト情報
SoundWander_OtoLog
SoundWander_OtoLogと申します。北海道にて、音楽生成AIの助けを借りながら、細々と音作りをさせていただいております。シューゲイザーやテクノ、JAZZといったジャンルの音楽が好きで、影響を受けつつも、日々の小さな気づきや、心に留まった雰囲気を音として表現できればと、試行錯誤を繰り返しています。AIが生み出す偶然性の中に、自身の想像もしなかった音の断片を見つけることもあり、その都度、新たな発見に小さな喜びを感じています。まだまだ至らない点ばかりではございますが、もし、私の音楽が、聴いてくださる方の日々の片隅で、そっと寄り添うような存在になれたなら、幸いです。
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