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DJ YUTAKA『Cali Life 2』
日本のヒップホップDJのオリジネイターであり、DJとして40年以上のキャリアを誇るDJ YUTAKAが、昨年(2022年)リリースのアルバム『Cali Life』に続いて、第2弾目となるインストゥルメンタル・アルバム『Cali Life 2』を完成させた。
前作『Cali Life』では、現在のDJ YUTAKAの拠点であるカリフォルニア・ロサンゼルスでの“日常”をテーマに表現していたが、今回の『Cali Life 2』では過去から現在にいたるまでの、DJ YUTAKA自身のカリフォルニアでのさまざまな経験や思い出がベースとなってアルバムが構成されており、音楽的にもより幅広いスタイルの8曲がこの作品には収められている。
DJ YUTAKAにとって、何かあればいつも寄る場所という街=ベニスをテーマにしたメロウなムードの「Venice in the place to be」でアルバムは幕を開け、その流れは前半部分の核とも言える曲「Sunshine」へ引き継がれる。DJ YUTAKAのビートの上で響くYuji Fukudaの極上のギターの音色は実に心地良く、夜明けのビーチで波音とともに漂う暖かく爽やかな風の感触さえも伝わってくる。カリフォルニアのヴァイブスを吸収して、自らが新しい世界を作り出すというイメージから生まれた「New World」を経て、「Tijuana」ではタイトルからも伝わるように、カリフォルニアとの国境の街であるメキシコ・ティファナを訪れた時の高揚感がダイレクトに表現。色気漂うムーディな「Talk to me」ではハリウッドでの一夜の思い出を描き、「Kush Time No Stress」では文字通りのぶっ飛んだ音の世界が炸裂する。Singo Sが参加したGファンクスタイルの「Inglewood Anthem」では今以上に危険な雰囲気漂う90年代のイングルウッドが描かれ、ラストの「Culver City」はNao Tharp(SkyRockMedia)による優しく語りかけてくるようなギターのメロディによって、リラックスした空気の中でアルバムを締めくくる。
自らの感情のままに作ったという今回のアルバム。その感情をダイレクトにサウンドとして表現するために、今回はミックスからマスタリングまで全ての工程をDJ YUTAKA本人が自ら手がけている。単に良い音楽を作るというだけでなく、本作では良い“音”を作ること追求しながら、音楽が持つ奥深さもこの8曲の中で表現しているという。そんなDJ YUTAKAのプロデューサーとしての新たな挑戦も今回の『Cali Life 2』から感じ取って欲しい。