遠くなった面影と
消えかかった声が、
脳裏から消えない
夜の目印だ。
誰にも今更に、
助けられやしない。
僕がここで声を上げたとして。
色彩の剥げ落ちた、
あの額縁の片隅に、
一人朽ち果てていく君の
面影をしまい込んで。
言葉の重さを知るたびに、
形を失う幸せ。
大人になれないままの
あの日の君から続く時間が、
落とした影を辿る指のように、
世界をかたどる指のように、
そっと君が差し出す時間に触れた。
無くした日々を追うように。
思い込んでいた。
こんな時間にもいつか、
終わりが来るはずだと。
一人きりで歩いていくことを、
忌み嫌うわけではないと。
部屋の隅で埃被った、
君の声を覚えている。
壊れかけたものを置き去りにして、
形を失う時間を、
いつまでも手の中に握りしめて。
燃える砂の中へ。
冷えた雨の中へ。
景色は今日も変わっていく。
僕は知っている。
自分の居る意味を。
君を追いかけて、
ここで眠るよ。
月日が過ぎて、
声が途切れて。
あの約束、
薄れてゆくけれど。
別れの理由を探す夜は、
重ねた声ごと、かき消した。
空を見ていた君も、
あの夜の中。
落とした影を辿る指のように、
何一つ言わないでそこにある、
そっと君が差しだす時間に触れた。
無くした日々を背にして。
- 作詞
Norishio, vmgf
- 作曲
Norishio
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ポストロックの新境地を切り拓く、kirye初の6曲入り1st mini Album。
アーティスト情報
kirye
from2018.10〜 PostRock新世代。 名古屋発、新宿を拠点に活動中。
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