歌詞

言葉でできたお守り

窓の外　街はまだ眠ってた

リュックの中　不安ばっか詰めて

「今日、行けない、ごめん」って

あの人が　小さなメモを置いてった

朝イチで出勤してったくせに

ちゃんと気持ちは　置いてってくれてた

「こわくない、大丈夫」って　自分に言い聞かせた

あのメモ、あたしのお守りだった

病室の中　機械音が響いてる

目の下って　神経多いんだって

「リスクは小さいけどゼロじゃないです」

って医者に言われて　ちょっとビビった

カバンの内ポケに　そっと手を伸ばす

会えなかった朝より　なんか優しく感じた

ぐしゃっと握ったメモの感触が

あたしを　ふわっと守ってくれた

手術はサクッと終わって　天井ぼーっと見てた

少し腫れてたけど　まあ悪くない

経過良好って言われたときより

あのメモ見つけた瞬間のが泣けた

「ちゃんと置いてってくれてたんだね」

って声に出したら　涙にじんできた

記録でもデータでもなくて

手書きの一行が　いちばん刺さった

言葉って　なんなんだろうね

たったそれだけで　あたし救われてた

信じてたわけじゃないけど

あの人の気持ち　確かにそこにあった

ホントはめちゃくちゃ怖かったよ

でもさ　思ってくれてる人がいるってだけで

「手術がうまくいきますように」

その一文が　あたしの全部だった

「ありがと」って言えなかったけど

あのメモが　あたしの背中押してくれた

もしまた怖くなったとしても

きっと　あの言葉を思い出すと思う

退院の日に　改めて読んだメモ

折り目のついた小さな優しさが

誰もいないロビーで　涙止まらなくなった

言葉ってさ、ほんとすげぇなって

もう大丈夫だよって言える気がした

ちょっとだけ　強くなれたかもな

あの紙は　ずっと残しとくつもり

“言葉でできたお守り”として

なんてことない日々の中の

ほんの少しの勇気とか祈りとか

たった一行で　人の心って救えるんだな