

自動ドアが開くたび
熱い空気が流れ込む
冷房の風に追い立てられて
今日も同じ席に座った
読みかけの本を開いても
文字は少し上滑りして
窓の向こうの蝉の声ばかり
耳に残ってしまう
去年の今頃は何をしてたっけ
思い出せそうで
思い出せない
ページをめくる音だけが
静かに時間を運んでいく
止まったような午後の中
誰も知らない夢や悩みを
それぞれ胸に抱えてる
棚の隙間を抜ける光
何かが始まりそうで
何も始まらない
そんな日も嫌いじゃない
窓際の席の向こうで
誰かが居眠りをしている
机に落ちる木漏れ日が
ゆっくり形を変えていく
大人になることはきっと
答えを増やすことじゃなくて
答えのないままでも
歩いていくことなんだろう
閉館を知らせる放送が
少しだけ寂しく響く
外へ出れば夕立の匂い
街路樹が濡れていた
読み終えられなかった本と
言葉にならない気持ちを
鞄の中へしまい込む
遠回りして帰ろうか
今日という日が
いつか思い出になるなら
悪くない気がした
西日が差し込む帰り道
蝉の声を背中に聞いて
僕はまた
ページの続きを探してる
- Lyricist
ai.abuyasu
- Composer
ai.abuyasu
- Producer
ai.abuyasu
- Programming
ai.abuyasu

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The Summer Library
ai.abuyasu



