歌詞

さざ波みたいな午後の空気が

洗い立てのシャツを揺らす

信号待ち　青になっても

なんとなく　立ち尽くしてた

昨日の笑い声がまだ

どこかに浮いている気がして

鞄の奥　折れたままのメモ

君が書いた「また明日」

小さな選択で　全て変わるような

そんな気がして　怖かっただけ

あの日から　何も変わってない

心だけが　少し大人になった

リネンの風が　通り抜けるたび

君がここにいた気がして

名前もなく咲いた花のように

誰にも気づかれずに揺れていた

でもきっとそれでよかったんだ

僕は僕で　君は君で

飲みかけの缶コーヒーと

眠れなかった理由ひとつ

思い出せないことすらも

優しさだったと知った

シャツの裾、ほつれてたのは

きっと心の糸だった

でも誰かに直してもらわなくても

自分で縫えばいいと思えた

正しさにすがって　泣きたい日もある

それでも　今を抱きしめたい

たとえば　答えが見えなくても

止まらずに風の中を歩こう

すれ違った　目の奥の君に

少しだけ笑えた気がした

不完全なまま並べた言葉

ぎこちないけど確かにあった

それでいいよと　小さく頷いた

僕が僕に　やっと言えた

交差点の真ん中　風が舞う

君じゃない誰かと笑ってる

でも心の奥　君がいる

それが　悲しくて

でも　美しいと思えた

あの日から　少し変われたかな

心だけが　すこし透明になった

リネンの風が　背中押すように

新しい朝を告げている

名前もなく咲いた花のように

強くなくても　揺れていればいい

誰かに見えなくてもいいよ

僕が　僕を見ているから