揺れる白い迷彩を
跳んで踏んではまた跳んで
音も色もこの空気も
明日に取っておけたのなら
夢を盗んだ夢を見る
実在しない過ちを
頭の中のレプリカも
僕には許されないから
漂う一秒を取りこぼさぬように
ただ
あの空を「あっ」
とひとつ切り取って
逃げ出さないように閉じ込めたのさ
無くなることのない
僕だけの夏だから
青く澄んだこの瓶を
夕に重ねて吸い込まれてゆく
なんて、できっこないからさ
解けば星のような粒
蜘蛛の糸に絡まっていて
手を触れることは
不可能じゃなくて?
そんな
雨上がりの水溜まりに
呼吸をする土の匂い
回る回る綿の群れ
不意に、ふっと
あの雲を描いて照らしてまた描いて
記憶と重なるは蝉時雨
あぁ 時計も花束も忍び足で動かす
世界が全部瞬いて
温い風に溶け攫われてゆくなんて
空き間の風に聞く明烏
霞んだ地面に泣く朝顔は
全部を飲み込んで
染まったみたいだね
閉じ込めた青をひとつ取り出して
ちぎれた空にそっとはめたなら
忘れることのない君の居た夏だって
愁いに耽って
包まれて
同じ時間をまた歩いてゆく
なんて、できっこないのかな
- 作詞
あそ
- 作曲
あそ
あそ の“夏の残量 (feat. 可不)”を
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