二段ベッドの下の階
脱ぎ捨てた上着羽織ってさ
冷え切った夜の道、銭湯へ行く
風呂嫌いだった私が
恋の引力でもないのに
夢中になるもの見つけてよかったね
あなたはつまらなそうな顔して
暮らしていた
憧れる街の名前、口にして
始発列車の音が響いて目を覚ます
誰も知らない朝だ
通りの喫茶店で学生の英会話
冷めたアメリカン、置き去りにして
カメラワークはいかしてない
聞こえない論争の中で
何が意味をなす言葉になり得るか
この自転車にまたがって
川沿いをゆるく降りていった
東京の時間は忙しいでしょうに
さらば
あなたは事後報告で遠くの街へ
気がつけば私はずっと旅の人
見慣れないタイトルと新しい映画館
あなたは知っているかしら
上り列車の光 峠を貫いて
山は黙って私を見送る
夢みたいな話をしようよ
夢みたいな話をしてくれ
- 作詞
クララズ
- 作曲
クララズ
クララズ の“アメリカン”を
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ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
アメリカン
クララズ
- 2
峠
クララズ
春のクララズ、澄み切った峠の風景を歌う。
シンガーソングライター山内光によるソロプロジェクト。アルバム『海が見えたら』(2018年)以来の新作は、2 曲入りのカセット としてリリースだ。
ブリットポップやパワー・ポップ由来のジャン グリーにかき鳴らすギターサウンド。朴訥ながら真っすぐ突き抜け ていくフォーキーな歌声。そして目の当たりにしたものを独自の目 線で愛でることで、ささやかなニヒルが滲む歌詞に惹きつけられる のがクララズ・ソングの魔力だ。
表題曲 “アメリカン” はライブでもサポートを務めるアダチヨウ スケ(Ba)、たけとんぼの平松稜大(Gt)ときむらさとし(Dr)を 演奏に迎えたフォークロックな仕上がり。また米山ミサ(浮)と謎 の人しゅるりん三浪がコーラスで参加し、さらに彩りを加えている。
井上陽水 “夢の中へ” にも通じるウキウキとしたメロディライン に乗せて、どこかの街の銭湯、喫茶店、映画館と巡っていく旅路の ストーリー。一方アコースティックギター弾き語りによる “峠” も 列車に乗りながら、遠方に向かって移りゆく景色と共にぐるぐると 思索を巡らせている様が描かれている。バンドと弾き語り、アプローチは違えど両曲に共通する、早朝の列車、コーヒー、遠くに離れた あなた......。本作は日常から一歩足を伸ばした、旅情に浸る歌紀行なのだ。
旅にも自由に行けやしない窮屈な世の中。クララズよどうか、夢 みたいな話をしていてくれ。(峯 大貴)
アーティスト情報
クララズ
宅録活動を発端に結成された、東京を中心に活動するソロユニット「クララズ」。 くるり、Teenage Fanclub、USインディーなどから影響を受けた、オルタナ感のあるザクっとしたギターに重なるハーモニー、そして親しみやすさとストレンジさが同居する詞世界が表現するのは、まさに“新世代ギターポップ”。 ソロやバンドと多彩な編成の中でも一貫して魅力を放つメロディセンスと、潔く伸びやかなボーカルに定評がある。 また既発のCDやフライヤーのデザイン、イラストも自身で手がけ、マルチな才能を発揮している。
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クララズ