※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
Q.A.S.B. のピチカート・ファイヴ♬
三代目ヴォーカリストとして野宮真貴が加入して間もないピチカート・ファイヴのアルバム「女性上位時代」(1991) から「サンキュー」、そして後期のアルバム「プレイボーイ・プレイガール」(1998) から「ウィークエンド」の2曲のカップリング・カヴァーが Q.A.S.B. サウンドとなって7インチで登場!
小西康陽さんご本人からもプッシュいただいております!
あなたには希望の匂いがする。小西康陽
ここ数年、ずっとヘヴィ・プレイしている「You Make Me Feel」という曲を作ったQ.A.S.B.が、じぶんがかつてやっていたピチカート・ファイヴの楽曲をカヴァーする、というアイデアを聞いて、じぶんは驚き、嬉しくなり、そしてすこし怖くなった。
いちばん好きなバンドである彼らが、じぶんの作った楽曲を取り上げてくれるなんて、嬉しくてたまらない話だが、いっぽう、もし気に入らない出来だったらどうしよう、いつも本当にジェントルで優しいリーダーの石川さんや、素晴らしいヴォーカリストのa.yu.mi.さんたちと、ちょっとギクシャクした関係になってしまうのだろうか。そう考えると、やはり怖くなってしまうのだった。
だが、そんな心配は杞憂だった。「サンキュー」と「ウィークエンド」、どちらもじぶんにとってはつよく思い入れのある楽曲。「サンキュー」を作ったときの、全世界に対して「ノー・サンキュー」と言いたくなるような屈折した感情。あるいは「ウィークエンド」を作ったときの、まるで職業作家の仕事のごとく端正なものをつくった、という、うれしいような、面映いような感情。そうしたものはまだ、じぶんの中にはっきりとしたかたちで残っている。そんな作家の個人的な屈託を、彼らQ.A.S.B.はじつにあっさりと、うつくしく見事に乗り越え、じぶんたちの音楽にしている。
とりわけ、ヴォーカリストのa.yu.mi.さんの歌う日本語の瑞々しさには驚き、彼女とこのバンドの将来に大きな可能性を感じた。たとえば「トワエモア」の白鳥英美子さんや「ハイ・ファイ・セット」の山本潤子さんなどに通じる清潔な日本語の発音を持ちながら、ファンキーなビート感を持つこのバンドのサウンドともしっかり寄り添っている。プロフェッショナルなソングライターなら、素材としての彼女とこのバンドに、なにか楽曲提供してみたい、と誰しも考えるに違いない。
あなたに逢えてよかった、あなたには希望の匂いがする、というのは、かつて和田アキ子さんが歌った楽曲の一節だが、まさか大昔にじぶんの書いた楽曲を通して、そんな「希望の匂い」と出会うことになるとは。Q.A.S.B.には感謝するばかりだが、いまのじぶんにできることはそう多くはない。ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい、彼らの音楽の素晴らしさを知ってもらいたい、と願うばかりだ。
filmed by Masayuki Echigobayashi
Recorded on 21 August, 2019 at Studio Dede
Mixed by Shinya Matsushita
Mastered by Akihito Yoshikawa
2005年東京にて結成された現行のRare Grooveバンド。RYUHEI THE MAN氏プロデュースの "The Mexican Part 1&2" (2012) 、"Never Did I Stop Loving You”(2014) を含めて、10枚の7インチシングル、3枚のアルバムをリリース後、バンド結成11年目となる2016年、Amy Aに代わるシンガーa.yu.mi.をメンバーに加え、2017年に ”Thinking Of You”、“Get Down”、“Hold Me”の7インチシングル3タイトルを、2018年には”You're My Star”7インチシングル、そして満を持して10曲からなるアルバム"Thinking Of You"をリリース(2019年にLP化)。小西康陽、沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE / KYOTO JAZZ SEXTET)、尾川雄介(universounds) 等から高い評価を得る。また、同アルバムから DJ KAWASAKI によりRE-EDITされた"Get Down"、SHO DA SCOTTIEによりREMIX された "Double Decker"をカップリングした7インチが HMV record shop 渋谷5周年を記念して発売され話題となる。さらにピチカート・ファイヴ、ロイ・エアーズ、ナンシー・ウィルソンなどの名曲をカヴァーした7インチやオーサカ=モノレール中田亮氏を迎えての7インチなど、精力的ににアナログをリリース。5枚目のアルバムを経て、現在通算6枚目のアルバムに向けて楽曲を制作中。
Soul Garden Records