Lyric

優しい風が頬を撫でて

水面に浮かぶ月を揺らした

寝静まった街の上　泳いでいくクジラ雲

同じ夢語り歩いた

あなたの背中が遠くなる

呼びかける声も伸ばしたこの手も届かない

不意に刺さった後ろ指

胸に深く

吞み込んでしまえ　あの星を全部

瞬く光がちっぽけな僕を嗤って

走る　走る　夜の底まで

今夜このまま

比べてへこんで傷ついて

妬んで。言い訳探していた

あなたが月なら僕はカメにすらなれないね

ひとり立ち止まる僕の

影を落とす

夜空のクジラよ　あの月を呑んで

惨めな影色　澱んだ思考もすべて

黒く　深く　闇に溶かして

僕を隠して

進み続ける　クジラ雲

隙間覗いた月の影と

目が合う

呑み込んでしまえ　あの日々を全部

全てが無意味に映る日もあるけど

重ねた時間が　確かな思いが

僕の胸にまだ光るなら

吞み込んでしまえ　弱い僕を全部

月明り照らす　晴れない顔蹴散らして

走る　走る　雲の向こうへ

止まることなく

夜明けはそこに。