暗転のヒューズのジャケット写真

歌詞

暗転のヒューズ

Akemi

古いアパート 冬の分電盤

つけっぱなしの ストーブの赤

給水塔の 見えた団地も

停電の夜に 慣れて眠った

コードを足すたび 灯りが揺れる

「まだいける」と 彼は笑って

揺れの数なら 先に読めるの

西日の中野 黙って見てた

糸が焼ける音 一度だけ鳴って

部屋の明かりが すべて落ちるの

ストーブの赤だけ 息をしている

目の裏でまだ 糸が光ってる

真っ暗な部屋 彼が手を伸ばす

分電盤の箱 蓋を開けて

予備のヒューズ線 指に巻きつけ

灯りを戻す その背を見てた

火事にならずに 済んでいたのは

先に切れてた 糸のおかげね

巻けばまた点く 点けばまた足す

その輪の外で コートを探す

糸を巻き直し 明かりが戻る

彼の手の中 部屋があたたまる

焦げたにおいは 灯りで消えない

目の裏の残光 灯して立つの

戻った明かりに 背中を向ける

玄関の闇は 私の側ね

コートを通して ドアを押せば

外階段の 一段目の冷え

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

暗転のヒューズのジャケット写真

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    暗転のヒューズ

    Akemi

「暗転のヒューズ」は、過負荷が前から見えていた関係が、一瞬の暗転を境に決定的な亀裂へと変わる冬の夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
冬の古いアパート、つけっぱなしのストーブの赤、揺れ続ける灯り、指に巻きつく予備のヒューズ線、そして焼け切れる糸の音――負荷を足し続ける手つきと、それを黙って見ていた視線が、明かりを戻してもまた繰り返される関係の空しさを静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、明かりを自分で戻すのではなく、暗いままコートを取ることを選ぶ大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、部屋の空気、停電と灯りの温度差を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

彼が暗がりでヒューズを巻き直し、明かりが戻っても、焦げた匂いは灯りでは消えない。
戻った熱に加わらず、玄関の闇を自分の側と決めて外階段の一段目へ踏み出す――そんな決定的な亀裂を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

nanayon music

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