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2019年に発表された4thアルバム『ナイトレイン』。前作『フィロカリア(2015)』のムードをさらに推し進めたポップス。ベーシックのリズムは前回同様itoken(ドラムス)と服部将典(コントラバス、エレクトリックベース)。そこに吉田悠樹(ピアニカ、シンセサイザー)と水谷康之(アルトサックス)がゲストミュージシャンとして1曲ずつ参加している。大胆な編集とシンセサイザーやサンプルなども取り入れた音源となっている。
【楽曲紹介】
「ジャイアントパンダ 」サビで、子供の声のようだったり機械の声のようだったりと様々に変調されたボイスサンプルや服部将典が演奏・編曲したストリングスが飛び交う1曲目。
2曲目「ブライアンイーノ 」wandaが演奏するシンセサイザーやリズムマシン、服部将典のストリングスがフィーチャーされている。AOR, フュージョン, シティポップなど明るいムードの音楽を独自に解釈している。
ラストでitokenのスピード感あるドラムが聴き物の3曲目「フィシカトゥトゥー」王道的コード進行が目立つ。吉田悠樹がピアニカで参加。
wandaが愛してやまないシューベルト作曲のピアノ曲「即興曲 90-3(1827年出版)」にyojikが歌詞をつけて歌った4曲目「汐路小唄」。春らしいリバーブ処理がダブを想起させる。
アルバム唯一のインスト曲は5曲目「それゆけ探検隊」。シンプルな繰り返しが展開する楽曲。yojikが演奏している小物楽器がたくさん鳴っている。またダブルドラムとして、左右のチャンネルに別々に録音されたドラムが収録されている。
不思議なムード漂う6曲目「考え事」。wandaが書いた曲にyojikが歌詞をつけた。服部将典が弾くストリングスが独特。
7曲目「時間と言葉」yojikとwanda風ロックサウンド。エレクトリックギターが奇妙さを助長させている。時間と音楽についての歌。
wandaによる物語風歌詞が白眉の8曲目「渋谷25時」。終盤にソロを飾る水谷康之のアルトサックスがクールな余韻を残す。
ラスト前の9曲目「トゲのようなあなた」。シンセベースの低音とコントラバスの低音が交互に鳴るイントロ。フィルターで変調されたドラムス。2番で鳴らされる低音のホーン。クレイジーな音の世界。
最後となる10曲目「らぶれすきゅー」はアルバム中で唯一wandaがボーカルをとるナンバー。ガレージファンクのようなサウンドに切ない歌詞がのる佳曲。
ベーシック録音(1-3, 5, 7, 9,10)は片岡敬。他録音・ミックスはwanda。CD盤(2019年)ではAIによるマスタリングが行われたが、今回wandaによるリマスタリングが行われている。