歌詞

でもこの世界に放たれてしまったから　頭をもたげて浮遊するほかなく

色の違うクラゲを見つめてはただ　すれ違いざまに触手を揺らしていた

なぜきみと同じ世界に生まれなかった　気まぐれにお手をした人影が

愛想笑いの声なんか聞こえないように　過ぎ去ってしまうのがひどくせつない

だから私は今手術室にいるんだね　あの人と同じ姿をした人影が

わたしのすべてを瀉血しようとすぐそこの暗闇に立っている

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網膜が曇るように仄暗く

腐りゆく海馬から　匙で掬い上げたら

あぁ　ブロックノイズだらけの世界に

帳が下りる

明日を知らない空

≪力を抜いて飲んでください　誰かそばで囁いても　応えず目を閉じてください≫

≪口は慎み信じてください　顔も恥もかなぐり捨て　理想の貴方になりましょう！≫

陽炎に揺れるこの世界すら

シロップに浮かぶ胡桃の夢なら

せめてこれからは甘い夢見を

額を叩いて　壊して　砕いて

「今あなたの脳にメスが入っていきます　気持ち悪いところがあったら全部取り去ってあげますから」

本当は誰だって素敵なところがあるはずなんです

そう、ほんのひとかけらくらいは…

『先生、見事な断面です』

そう、こんなわたしにもほんの少しはいいところがあったはずなんだ

最後の一切れを食べなかったり頑張って下地を塗ったり顔も知らない誰かのために怒ったり羨ましいって口には出さずに拍手したり

私が私でなくなったら　いつかあなたみたいになれるのかな

いつかニュースで見かけた　1日だけ有名だった誰かではなくて…