歌詞

記憶の奥に 眠ったままの微笑み

触れるたびに 凍えた指先が疼く

思い出はjpg 愛は壊れたテキスト

ひとつずつ 光の中へ還していく

未読のままの言葉が 心の奥で呼吸してる

読みたくなかった 最後の「好き」が瞬いて

I.delete.you あなたを消す 私を守るため

深く保存された想いには 上書きなんてできなくて

どこにもいないあなたを どこにもいけない私が

何度も繰り返してる 祈りに似たジェスチャー

痛みが増えるたび 「好きだった」の証明になる

通話の残響 削除したら 夜がやけに静かで

検索窓に残る あなたの名を指が辿る

足跡も 地図も 全部 見なかったふりをして

ずっと抱いてたものが 執着だったと気づいた

「元気ですか？」すらもう 聞くことはできないけど

夢の中ではまだ 隣にいてくれたね

I.delete.you あなたを消す 正しさに従って

通知もアイコンも 幽霊みたいに浮かんでる

薄れてゆく気配が 胸の奥に棲みついて

静かに揺らいでる 消しきれない幻影

削るほどに深くなる 記憶の切り傷

削除するたび 胸の奥で軋む音がした

まるでナイフをなぞるように 痛みだけが増えていく

画面を滑る指先は 冷たい刃物みたいに

「もういないあなた」を 何度も突き刺してる

I.delete.you あなたを消す でも私は消えない

壊れたままのフォルダで 息を潜める恋がある

遠くなったあなたを 動けないままの私が

今日もまた削除してる 流れない血の跡みたいに

それでもまだ あなたを消しきれずにいる