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全編を通して”ふたりの物語”を紡ぐ今作は、タイトルが示すように危うげでロマンチックなムードが漂っている。
「ほこりの銀河」
“物語のはじまりは、何かが終わるとき”
nagoriteの楽曲には、そんなメッセージが見え隠れする。穏やかで軽やかなポップサウンドが、派手ではない重大な決断や忘れられない瞬間を静かに肯定しているようだ。
「温い夢」
Vo.佐々木詩音が作詞作曲を手がけた楽曲。Composer/Gt.のタニー・グレイスは、この弾き語りを初めて聞いたとき、初作「永遠のそば」と同じ時間軸にある物語だと感じたという。編曲では大胆な展開を加え、まるでA面からB面にカセットをひっくり返したかのように、勇ましいバンドアンサンブルが物語を力強く押し進めていく。
「たそがれ」
憂いや不安の中に、どこか楽しげで小躍りするような矛盾を含んだ音色は、nagoriteらしい表現の一つだろう。この独特な調べは、俳優としての一面も持つ4人のメンバーそれぞれのアイデンティティに由来している。単一の感情に偏ることなく、揺れ動く感情を多角的に捉える姿勢を持っているのだ。ひときわロマンチックでオリエンタルな香りを漂わせるこの楽曲は、“ふたりのはじまり”を予感させる。
「Our Crazy Romance」
アルバムタイトルを冠するこの楽曲は、“本当のはじまり”を宣言するかのようにストイックなバンドサウンドが炸裂。挑発的でありながら、ロマンスにおける焦燥を繊細に切り取っている。
「飛行機雲」
この楽曲はボイスメモで収録された弾き語りで、いつか忘れてしまいそうな想いをどうにか遺そうという切実な願いが窺える。つまびくギターの音色と柔らかな歌声が、優しく物語の核に触れる。
「詩う」
ボイスメモとオーケストラが交わる異質な音空間が、エモーショナルな化学反応を引き起こした。脆く儚い物語を確かなものにしようとしたVo.佐々木詩音のソングライティングにも注目したい。
「えんちょうせん」
一筋縄にはいかない結末に向けた叫び。バンド編成となったnagoriteの新たなグルーヴが強く感じられる、疾走感あふれるロックナンバーだ。
「はなればなれ」
“物語のおわり”とは裏腹に、ポップで愛らしいサウンドを目指した楽曲。どことなく微熱の残った余韻が、終始感じられるのではないだろうか。
「My Crazy Dreams」
激しくアップダウンする心情に呼応するように、バンドの表情も変化していく。ロマンスをテーマにしたアルバムのフィナーレでnagoriteが贈るのは、ラブソングの顔をした人間讃歌だった。ここまで紡いできた物語の果てであり、ラストシーンが常に現在であることを語りかける。
4名の俳優による日本のオルタナティヴ・ロックバンド。 2022年結成、東京・下北沢を拠点に活動。 ギターのタニー・グレイスが作詞作曲を手掛け、佐々木詩音がメインボーカルを務める。 ベースの松尾渉平はMVのディレクションも担当。 2023年11月に盲腸がドラマーとして加入し、音楽ユニットからバンドになった。