歌詞

微睡みに溶けた絵空事の片隅で

眠らない街角、群れた傘が混ざり合って

殺したい貴方が想い出に棲み付いて

心の隙間を攫う言葉に溺れていくんだ

あぁ、刳り貫かれた胸の誑き一つで

雨降る街を照らす月に紛れた

この声だって、この夜だって

思えば全てが嘘だったんだろう

愛なんて欺瞞だって 

そんなの分かりやしないんだって

昨日はどうも嫌になった

着慣れた憂いを放っぽって

疲れちゃっただけよ、なんて

今はもうちょっとだけ眠らせて

水溜まりに溶けた世迷言の片隅に

眠れない私を置いて行った貴方が居る

殺したい記憶も徒濡れのままでいい

言葉の欠片を掬うだけなら溺れていたいわ

吐いた息の白さが喉を湿らせた

雨酔う日々の惨めさも誑いて

ああ、何だっけ。もう良いんだっけ

あれだけ愛したのは何だったろう

想いなんて痛いだけ

澄み切る雨に傘を差したって

騙したって象ったって

見慣れた部屋から抜け出した

抱いた胸が詰まるような

褪せた愛の欠片だけ拾っている

この愛だって、願いだって 

叶わないことくらい分かるだろう

夜だって、迷いだって 

伝う雨だって知らん振り

そうだった、もう良いんだった

忘れたい事ばかり増えてって

嗚呼、愛だって、夢だって、老いだって、声だって、夜だって、雨だって、今日だって、何だって、どうでもいいよ、放っといて

もう良いんだっけ？あぁ、そうだっけ

棲み付く貴方なんてもう要らないんだよ

思い出したってどうだって、殺せたなら私は

左様ならだ