SABRINA

信用の崩壊。心に空いた穴は、痛みさえも通り抜けていく。

「嘘をつく人とは一緒にいたくない」──
仲間の裏切りを経験しながらも、“曲が進むからもっとくれよ”と歌い切るその姿勢は、アーティストとしての矜持そのもの。
感情が交差する中で、ただ自分を貫き通す姿が描かれる。

終わりを告げるように、花言葉で「感謝」の意味を持つサブリナの名を彼に添える。
それは同時に、自分の信念を守り続ける覚悟の表明でもある。

音楽としての鋭さと、感情の深みを同時に纏った『SABRINA』は、
過去を抱えたままでも美しく立てることを証明する、一つの祈りだ。