海に書いたピリオドのジャケット写真

歌詞

大人を辞める唯一の方法

カツラベ

「将来の夢を持ちましょう」先生はそう言った

夢を叶えた人はそんな風に言える

進路希望調査票 本音を書くことはできなかった

「夢」は「叶いそうな夢」のことだと知っていたからだ

持たないままで済むなら持たないほうがいいんだ

心が呪われたみたいに縛り続けられていくから

大人になったら忘れていけると思っていた

そんな都合良くはなかった 忘れることはできないや

大人になったらさらに息苦しさを感じていた

あの頃よりずっと 続く人生の価値を考えている

「将来の夢なんてものはさ 子供もできる博打 外れる前提でリスクヘッジはしておけ」

あの頃は解ったみたいにそんなこと考えて

真面目に勉強もして、働いて、その通りだった

だけどそんな理屈も所詮は机上の空論で

僕が担保したのは生活 心は守られていなかった

音楽から逃げた日 忘れていけると思っていた

そんな都合良くはなかった 逃げきることはできないや

親も友も先生も誰も僕の心を知れないな

あの頃より強く 明日の生き方の価値を考えている

夢が無いと言う人が羨ましいな

趣味と言える人が羨ましいな

僕も歳相応なことを考えていられたらいいな

この世界に音楽が仮に無かったとしてもさ

僕は大人には成れない人間だったんだろうな

きっと心で未来を覗いたその瞬間から呪われていたんだ

それを解くしかないんだ

大人になったら忘れていけると思っていた

そんな都合良くはなかった 忘れることはできないや

大人に成れない僕たちが大人を辞めるためにはさ

それを解くしかないんだ

だから今日も一人きり 曲を書いていた

  • 作詞

    カツラベ

  • 作曲

    カツラベ

海に書いたピリオドのジャケット写真

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「文通」から始まった”君”と”僕”の物語を締めるアルバム。
報われない感情を物語の形として昇華させた渾身の作品。

アーティスト情報

Katsurabe

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