死と生のジャケット写真

歌詞

我が憤怒

Violet Apple Machine

ひとつ、ふたつ、みっつ

みっつ、ふたつ、ひとつ

その光は人の形を採っており、

人型の容器に我々はおさまり、

そうであるから我々は群れを成す

我々光たちは滑車より遅く、水車よりは速く

一個の魂に、あえなく鈍く光る魂の一群が突き立つ

二個の魂が、ふらふら寄ったかと思えば眩く破裂する

三個の魂が、それぞれの発する光を食らい合うかのように交錯する

ひとつ、ふたつ、みっつ

みっつ、ふたつ、ひとつ

大地はびっしりと、一個一個大きさがまばらな大量の光に埋め尽くされていた

夜を喰らい尽くした光は、代わりに目を閉じればそこに暗闇を見出す

即ちその肉に闇を内包した

ただ、夜の暗黒に打ち勝ったという錯覚は甚大であった

我々は夜闇を愛さねばならない

光を放つ肉は呪いだったろうか

いや、それこそが宿命であり、

受け入れなければならないもの

直視に耐えぬ光は

愚かしくも夜の生命を奪った

我等はその復讐として生きなければならぬ

夜よ、愛おしきセレナーデ、

お前の奏でる哀しい詩を聴く者は居るだろうか

我が光はあまりにも矮小かつ狭隘である

夜の持つ魂は空へと舞い上がり、ああ昼になった

夜を追いかけた我等は落下を続けるばかり

着地点は見出せず

永劫に落ちることが宿命であるならば、

その底にある筈のちいさな暗闇をせめて愛さねばならない

その復讐は、愛は、この世に滔々と流れる、怒り

  • 作詞

    Violet Apple Machine

  • 作曲

    Violet Apple Machine

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詩人の咆哮。
今作はポエトリーリーディングを中心としたアルバムである。
深淵かつメロディアスな「BreathFlow」、日常的に経験する感情を底の底まで内省した「喜びについて」、およそ6分のあいだ途切れることのない朗読を続ける「POETRY ORGANISM」などを収録。

アーティスト情報

  • Violet Apple Machine

    ポエトリーリーディングを主な表現手段とするミュージシャンであり詩人。 自ら手掛けた楽曲に自ら手掛けた詩の朗読を載せるスタイルを採る。 その作品はアンダーグラウンドかつ内省的な衝動に満ちている。 現時点で描かれたテーマは「生命力の強靭さ」「喜びに関する省察」「全ての創作者への賛歌」等。 Violet Apple "Machine"ー"機械"、即ち無機質という意味を有するこの文字列は詩人Fuuのソロプロジェクト​名義である。

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