歌詞

震えた想いは

刹那の光を宿して消えた

水面に光を落とし

爆ぜる空を尻目に

君の影を追って

君の影を追って

散った火花は肉眼よりも高い解像度

少なくとも君の潤んだ左目よりは。

凛と消えるは諸法無我の証左

いつまでも君の手を握って居る筈だった。

多色刷りの嘘で取り繕ったら

去り際はひとつの花と散ればこそ。

賢しい火影が只、幽かに日々を照らせば

夏は僕等を見つめて離さない

震えた想いは刹那の

光を宿して消えた

壊したのは君だよ、なんて

情動も高邁も傷も零してしまった夜に

表象の爆風に圧され爆ぜる空を尻目に

君の影を追って 君の影を追って「左様なら、」

散りゆく火の華に

濃口のエゴを仮託して

塗り固めた様相

君の不安げな表情

気味が悪いよ

君は悪くないよ

いつまでも昨日に

芽を延ばしてる僕の方が

枯れかけの草木が語り掛ける

今はかくあれどこんな処で終われない

汚い構図に唯ひとつ光る、胸の痛み！

夏の空気は

張り詰めたままで

燃やした言葉が

無垢な音を立て

やさしく咲う

見つけたのは君だろう

そんな眩い光明で

僕を絡め取ったのは

途切れた記憶の欠片を探しに行こう

君の影を追って

君を目にすると

くすんだ彩りが

僕の網膜に寄生して

弾道、低くなって

頬をかすめた

残像を刻んでいる

微かな想いは

刹那の光を

放って消えた

壊れゆくから美しいのだと

尊大な焦燥と歪み

掲げて生きし世を

表象の爆音に圧され

爆ぜる空を尻目に

君の影を追って

花の命運を以て

「左様なら、」