死刑囚が見た桜のジャケット写真

歌詞

死刑囚が見た桜

るるこしんぷ

誰かの言葉を真似してもね、

なんとなく分かってしまうのはね、

とても幸せだったからと言えるでしょうか。

外塀の向こうのいわし雲は、

防犯線でぼやけてしまって、

いつもより少し寒い冬を届けます。

途切れないよう手繰り寄せても、

途切れてしまう糸を、

何も出来ないまま見つめてね、

どうしようもないようでーーー。

会いたいの歌を闇雲に張り巡らせた

二人の部屋に運ばれる春も、

どんどんと背を伸ばし続けている便箋も、

ほら、もう少し、あと少しで崩れます。

どうにかして再生できないものかな、と

思って記憶に手を掛けて、

弄り回して電源を入れました。

だけどすぐ止めてその記憶を

作り笑いで粉々に踏み潰して、

息を吹きかけて正しさの意味を問うのです。

捻れた心の在り処がね、

ごめんなさい、分からないの。

頬を伝う涙の説明も、

どうも出来ないようでーーー。

冬を着た街に雪雷がやってきて、

本音を紡ぐ声は届かない。

あなたが消える世界は異状なく廻るんだ。

誰かの笑顔と、泣顔を、乗せながら。

チェンバロが弾く泡のような日々を、

鉄格子に切り取られてる景色を、

考えたくなくても考えるのは、

やっぱり人間失格なのですか。

常温の火を焼べて、常温の雨を降らす。

本当のさよならは、差した傘を突き抜けて。

衝動の奪う理由、混沌の許す理由。

それでも贖えない。

それでもーーー。と。

会いたいの歌を闇雲に張り巡らせた

一人の部屋に春は訪れた。

目隠しの裏、その闇に舞い散っていた

色とりどりで、色のない、シネラリア。

芽吹いた花も、

亀裂まみれの薄氷も、

部屋の隅、背が伸びた便箋も、

はぐれた腕も、

不確かに鳴る心音も、

あなたまで、

あなたまで、

届いてほしいのにーーー。

  • 作詞者

    るるこしんぷ

  • 作曲者

    るるこしんぷ

  • プロデューサー

    るるこしんぷ

  • ギター

    るるこしんぷ

  • ベースギター

    るるこしんぷ

  • ドラム

    るるこしんぷ

  • キーボード

    るるこしんぷ

  • シンセサイザー

    るるこしんぷ

  • ボーカル

    るるこしんぷ

死刑囚が見た桜のジャケット写真

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    死刑囚が見た桜

    るるこしんぷ

声に出して説明することが憚られるテーマを題材に描いたシリアスなバラードです。

1音1音、音を丁寧に選んで緻密に配列しました。

行き場のない感情というものを音を使って表現できたのではないかと思います。




【葛藤は声になる。声になった葛藤は叫びにも似たものだった。】

アーティスト情報

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