

朝 靴を履く音が
昨日よりも小さくなってた
名前を呼ばれても
返事をするのが少しだけ遅れた
「ここにいるよ」って言いたいのに
わたしの輪郭が滲んでいく
笑うことを覚えた日から
たぶん少しずつ消えてった
静かに誰にも知られないように
この世界からこぼれていくみたいで
声もなく 涙もなく
「大丈夫だよ」って笑って失踪した
わたしはここにいなかったんだ
黒板の文字が揺れて見えた
誰かの声が遠くて まぶしかった
窓の外だけが現実で
この教室は夢みたいだった
置き忘れた傘が一本
誰にも拾われないまま
あれはたぶんわたしだった
いらない存在だったってこと
静かにまばたきの隙間で
全部終わらせられたらよかったのに
わたしという名前のない何かが
誰にも呼ばれずにただ溶けていった
それがいちばん優しい別れ方だと思った
- 作詞者
泣依
- 作曲者
泣依
- レコーディングエンジニア
泣依
- ミキシングエンジニア
泣依
- マスタリングエンジニア
泣依
- ボーカル
泣依

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