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キツネリにとって4曲目となる「▷コンティニュー」は、ひたすら繰り返す毎日をコンティニューし続ける僕たちを全力で肯定する歌だ。
前作の“変身"では「陳腐に狂った世界」を「きっと前からきれい」と歌ったが、この曲では自分達が生きていく〈世界〉をこれまでより鋭利に・内省的に歌う。
爽やかで疾走感のあるメロディーの中にはある種の諦念さえ感じられるが、この歌は決して世界を悲観しない。「バトル終わってんだ アカウント作る前に」そんな思いの中にあってもゲームを続けるしかない僕たちの、この「標準装備」の悲しみこそが「何処にも売ってないオーダーメイド」であり、自分自身のたった一つのオリジナルな価値観だと優しく提示してみせる。
サウンド面では“虫の夢"以来のバンドサウンドではあるものの、先のダークな世界観からはがらりと変わって、前作の“変身”にも通じる開放感のある気持ちのいいポップ・ロックに進化。メロディに絡みつく軽快なギターと、どこか懐かしい8bit風のシンセフレーズが“可不”による儚くもひたむきなボーカルを支え、彼女の武器であるエモーショナルな表現を何倍にもレベルアップさせている。
決して理想通りにはいない痛みだらけの「ムリムリ」の日々にあって、それでも「▷コンティニュー」を選択する僕たちにとって「痛み止め 買うだけ損かもな」と歌うこんな曲こそが日々をサバイブするための唯一の〈アイテム〉なのかもしれない。
エンジニアにはたいやき、マスタリングにはSoushi Miizuno(Studio MASS)を迎え、ジャケットのアートワークには国内外で大きな評価を獲得するohutonが担当。サウンドとアートの両面から曲の世界観を拡張している。
キツネリは二人組ボカロPユニット。 インターネットでJPOPをやっています。