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Kukuri初のフルアルバム『WORSHIPPER』を遂にリリース。
ミニアルバム『Undefined』の発表からおよそ3年が経過し、楽曲面および演奏面においてより円熟味を増したバンド像を確認してほしい。
本作の構想および制作自体は、先述の『Undefined』とおよそ並行して進んでいたものの、既知の通り2020年初頭に世情が一変。「リアル」を主たる活動の場としていた我々は、メンバーはもとより外部との物理的な接点を奪われ、新たな手段や体制の模索を余儀なくされた。オンラインでのミーティング、データによるデモ音源の交換など、それまでにない形での制作が始まり、当初は、意思疎通やスピード感といった部分でなかなかもどかしさを抱えた状態であった。
しかし、根気強く話し合いを重ねるうちに、一つの合意点に辿り着く。それは「リアル志向からの脱却」。メンバーが集まってのレコーディングはおろかステージに立つ、ということが現実的でない状況、それを逆手に取って、あえて従来のバンド形式では再現できないような楽曲作りを行うというものだ。
例えば、1曲目となる『Echo Chamber』では全体を通してシンセサイザーが軸となった組み立てになっていたり、『Old Sticker』はドラム音源に大胆な加工を施しインダストリアルロックに寄せた仕上がりになっていたりと、随所でこれまでにはないアプローチ・遊び心を散りばめている。
また今作では、作曲の半分をShun以外のメンバーが担当しており、その点でもバラエティに富んだラインナップとなっている。
とはいえ、本来Kukuriが目指していた、歌を軸とする「ライトなヘヴィネス」という本筋からは、決して逸脱しない、絶妙なバランス感で成り立つように苦心したことを追記しておきたい。
元々同じバンドで活動していたShunとDaiが、半ばサイドプロジェクト的に2016年から活動を開始。およそ1年の曲作りおよびコンセプトメイキングを経て、Shunが以前から目を付けていたYukiとRyoを勧誘し、現在のメンバー編成となる。 学年は異なるものの、元々4人とも大学の同じ軽音楽部に所属しており、J-popを中心にハードロックやメタルのほか、ヒップホップ、ジャズ、ラテン等、幅広いジャンルのコピー・カバーを広く行ってきた。 編成としては、ドロップBにダウンチューニングされた2本のギターに加え、5弦ベースに2バスのドラムといった近年のメタルコア等の界隈で見られる形ではあるものの、決してメタルに拘泥している訳ではなく、あくまで楽曲の主眼は歌に置かれており、激しくも耳馴染みのよい、言わば「ライトなヘヴィネス」を標榜している。 バンド名は、いわゆるジャンルの「括り」を取り払い、広く音楽性を取り込んで表現したい、という意志が込められているが、これは後付けで、実際のところは「語感がよい」「Kから始まる名前は珍しい」という理由から決定された。 余談だが、メンバーの3/4が片親である。