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スウェディッシュポップとメタルをマッチングさせながら、グランジやエモのエッセンスを織り交ぜ、独自のエモーショナルなロックを構築する4ピースバンド、winnie。ここのところマイペースな活動が続いていたが、結成20周年となる2022年、ついに動き出す。
長らくサポートベーシストを務めていたABSTRACT MASHのBa,nassyが正式加入し、盤石の布陣になった彼らは約5年ぶりとなる新作、ミニアルバム『Boost』を発表。それに伴い、東名阪ツアーを行うことが決定した。
まず気になるのはその新作だろう。久しぶりの作品ということだけあって、サウンドに大幅な変化が訪れていても不思議でないが、そこは安心して欲しい。シリアスなムードをまといながら、ポップかつ愛らしさのあるメロディーが男女ツインヴォーカルで麗しく響くのはもちろん、ioriが綴るどことなく影のあるリリック、okujiのテクニカルなギターフレーズ、爆発力のあるjinのショットはより研ぎ澄まされ、サウンドをつなぐnassyのプレイも巧みさを見せつける。着実にバンドとしてブラッシュアップしてきたことがわかるはず。
収録曲にも触れていこう。冒頭を飾る「R.I.P」、久しぶりの新作の1曲目でこのタイトルを選ぶところにもニヤッとさせられるが、透明感のあるioriの歌声と雰囲気たっぷりのokujiの歌声の掛け合い、疾走しつつもグッと溜めるツボを心得た抑揚の作り方、まさしくwinnieらしい1曲だ。
落ち着いたトーンから徐々にテンション感を高め、輝かしく広がるサビが印象的な「nobody answers」、巧みなギターリフやコクのあるメロディーがクセになる「freedom bells」、ioriのキュートな歌声と幻想的なムードが見事にマッチングした「lights out」、駆け抜けながらもグッドメロディーの響きが壊れることがない「creatures of the night」、柔和なミドルバラードとも言える「alone again」という全6曲になっている。
また、先程も触れた東名阪ツアーだが、ファイナルとなる東京は2部制のスペシャルなワンマン。まず1部では『ROOTS & EARLY YEARS 1999-2007 』と題し、バンド初期の未音源化の曲を中心にしたライヴを披露。結成は2002年のはずなのに、というところで補足しておくと、winnieはもともとioriとokujiを中心としたサイドプロジェクトとしてスタートしており、バンドとして本格的な活動をする以前に緩やかな期間も存在しているのだ。そのあたりも含めて、この機会ではないと観ることができない内容になるだろう。2部ではフルアルバム『The Darkest Eternal Lights』から新作『Boost』までを含めた中から選びぬかれたベスト的セットリストとなっている。パブリックイメージ通りのwinnieを心ゆくまで楽しめるに違いない。
20周年という節目のアニバーサリーイヤー、これまでのwinnieと今のwinnieを存分に味わい、これからのwinnieへ想いを馳せるキッカケになるだろう。
winnie(ウイニー) 2002年結成。疾走感溢れるタイトなロックサウンド、透明感のある美しい男女ツインヴォーカルメロディーライン、時に三声以上の混声コーラスワークなど、アメリカエモロックの影響を強く受けつつも、グランジ、スウェディッシュポップ、往年のHR/HMなど様々なジャンルを昇華した独自のオルタナティブロックを奏でる4ピースバンド。
EVOL RECORDS / MOONSHINE Inc