歌詞

細く長い朧影絵には

哭きつぶしたマツムシ模様

落陽からまたたかれる

北の海にとどまる祈り

しずかに

ぴんと張った水彩には

破れそうな線をたどって

耳とびら　目の奥へ

羅針盤の針をすまして

「大丈夫だよ　まだ此処に在る」

有限の先へ…

みそらを高く奏でた

セキレイたちよ

幾憶の柔く繊細な

命生くしたポラリス

かくし溜めた息の群れは

わたのように言霊になる

ゆびきり　つないだ

赤茶けてしまった約束

「いまいちどだけ

もういちどだけ」

紡ぐ糸を磨ぐ

アンドロメダの濁流で

削れる体温

幾々度もゆるがぬ水面へ

こがされてゆく

それは

十五の輪廻を

つま先かけだした

のばす梯子螺旋へ

とぎれ　とぎれでも

羅針盤の針をすまして

「大丈夫だよ　まだ此処に在る

いや　此処でいたい」

「一番星みつけたはじめてを

覚えていますか?」

みそらを高く奏でた

セキレイたちよ

幾憶の柔く繊細な

命生くした

まばたきのなか

夜からこぼれ

ねむりの煤と破棄捨てられても

うつろう銀河

まっくら何も

ぶらさがる考星すらなくなっても

イデアの中へ

惑う破片をかき集めて

ちりゆく名前

きれいな名前は…