Lyric

飾る間もないまま

惰性の延長線上で

移ろう気配もなく季節は巡る

暮らしの向上の

人間としての成長の

兆しもなく終わる

馬鹿げて話にならない

思惑も消化しきれない

頭の衰えは年々増すばかり

夢の大きさは縮小の一途

網膜が憧れを孕んで映す

妄想を拗らせた

脳の中恥じらいで

動けないまま

皺の数が増える

積もる夢想の死骸

先が翳るような

醜聞と訃報ばかりで気が沈む

足りないオツムは

忘れてしまえる弱さに甘える

人肌恋しさに憂う

束の間の安息を想う

厭世に溺れて

見紛う疑う日々はお座なり

深く吸う煙の匂いが馴染む

淀んだ部屋の中

網膜を簡略で雑多な情報で

汚すのにも慣れ

醜くも膨らんだ借り物の思想に

色を付け足すただ

瀟洒に身なりを整えようとも

どこか淋しさを覚えてしまう

床の軋む音が粒を揃えて

鼓膜を揺らす

傲慢さ言い換えれば

優しさに膜が張り付く視界に

剥き出しの誘惑で思考が揺らぐ

期待を捨てきれない

網膜が映せぬ影

消せぬ憧れ

届くことない台詞

肥大した美化した日々に

付加した意味に

裏切られるまた

そんな気がしている