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なにかが、分かれた。
その瞬間を、はっきりと覚えているわけではない。
けれど確かに、それまではひとつだったものが、ふたつに見えはじめた。内と外。こちらと、あちら。そして――「わたし」と、それ以外。この曲は、その分離のはじまりを描いています。
はっきりとした境界ではなく、むしろ曖昧なままの違和感として。
まだ完全には形になっていないのに、すでに「わたし」は存在しているように感じられる。その、不思議なねじれ。
音は、静かなピアノの単音から始まります。
一定ではない間隔で、ぽつり、ぽつりと落ちていく音。そのあいだにある沈黙が、かえって意識を強く浮かび上がらせる。
なにかを待っているようで、なにも起きていないような時間。
やがて、わずかな低音が加わります。それは安心でもあり、同時に落ち着かない感覚でもある。
まるで、自分がここにいる理由をまだ知らないまま、存在してしまっているような感覚。この段階で生まれる「わたし」は、まだ確固とした存在ではありません。