白ノ鬼のジャケット写真

歌詞

白ノ鬼

Daichi Wago

これは俺の最も好きな感覚について書いた歌なんだ

飛び方を教えるから、

今から一緒に遊びにいかないか

古い首飾りの糸がほどけ

涙ながれだす

青い琥珀糖

指切り

十二月の感触

羽ばたきだす魂魄

何か感じ針が触れるコンパス

俺はそれに従う

まちからまち漂泊して凛と澄ます聴覚

白を黒に漂白

鹿の頭角

余白、

薄荷のけむりと透明なかみなりぐも

聞きおぼえのない

ことばたちが反響するやまびこ

冬の空を渡っていく呪詛のソプラノ

誰もいないパルテノン

金属の平原ではあらゆるものが

高速で伝達をしていく

バイオリンの冷えてる旋律が心地いい

切れる弦 恋の終わり 雪女の絶筆

「あたたかい感情を

表情の中に探されるよりも

あなたの行った南の国の話を

もっと聴かせてほしかった」

どれだけ祈ったってもう

戻ってこない光を書き残すと

水銀の雨が降ってる桃源郷の上空に白鳥、

爛々と光る松果体

この際見たことあるものなんかに全く興味なし

縁切る一の太刀

ビロード張ってるみたいな

濡れてる天空目がけて

一行目を書き

紙に立ちこめてる浄闇から

アルビノの明朝体

執筆する着想する設計する倒錯する瞑想する構築する訓練する操縦する連立する発声する

幻滅する再構築する執着する脱却する覚醒する

最終形態降臨する

予定調和壊したい

じつのところ奴らは

記号に擬態した脊椎動物亜門カモ科

に属する渡鳥の一種

であるということに気づいてから

わたくしは 文字というものが

段々 恐ろしくなってきています。

彼らは英語圏では スワン

中国語で ティエンウォ

また、日本語においては古くから

告白のコクの右に鳥編をつけて

「クグイ」という名前で

呼ばれているらしい。

書いた文字は紙を離れて

手に負えない速度で

明後日の方角へと飛んでいく

わたくしからあちらへ

東京からシベリアへ

また、シニフィアンからシニフィエ

指先へと滲んでいく感覚の幻影

君が現在見ている月面もつまるところ一側面

わたくしはこのふしぎな鳥の群れとの

契約を締結し、

意識の外側にいる無数の鬼たちとの

グループチャットを始めた。

  • 作詞者

    Daichi Wago

  • 作曲者

    junchai

  • プロデューサー

    junchai

  • ミキシングエンジニア

    junchai

  • ラップ

    Daichi Wago

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    白ノ鬼

    Daichi Wago

東京都内で密かに注目を集める芸術集会「魔界難入」を主宰する Daichi Wago が、新シングルをリリース。本作は、昨年のツアー中に新幹線の車窓から見た、ハイスピードで流れ去っていく風景、そして、シベリアから日本へ飛来する白鳥たちの姿をモチーフに制作された。壮大な情景と個人的な記憶が交錯するこの楽曲には、Daichi Wagoならではの叙情とエネルギーが息づいている。

さらに今年は、12曲入りのフルアルバムも制作中。勢いそのままに、彼の音楽世界はさらに深みと広がりを見せている。プロデュース/Mixは Fallsheeps のGt&Vo.でもある junchai が担当し、アートワークはマルチメディアアーティスト JACKSON kaki が手がけた。

アーティスト情報

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