歌詞

アスファルトを打つ　細い雨音が

まるで　あのとき言えなかった

一言みたいで

傘をさすほどでもない距離

でも　濡れたのは心の方だった

赤信号の交差点で

ふたり　立ち止まったまま

「行こうか」って言った声

あれは　戻れない音だった

冷たいピアノが　胸を叩く

交わらないままのセリフ

ノイズみたいに　残ってる

アスファルトが覚えてる

街灯の影が　すれ違った

あの夜に　名前はなかった

でも　確かに存在してた

ひび割れの隙間みたいな　感情

アスファルトに溶けた声

誰にも届かなくていい

でも　わたしは知ってる

あれは　嘘じゃなかった

胸の奥で鳴っている

誰にも聞こえないノイズ

それでも　消えないのは

きっと、本物だったから

グランドピアノが　雨を打つ

響いた音が　街に溶けてく

交わした視線も　ほどいた手も

全部　リズムのなかに沈んだ

窓ガラスに映った顔

あの頃より　少しだけ

強くなれた気がした

でも、まだ　痛む場所がある

ドラマチックなんかじゃない

ただ、残っただけ

わたしという名の物語に

あなたがいた証拠

アスファルトに溶けた声

誰にも届かなくていい

でも　わたしは知ってる

あれは　嘘じゃなかった

胸の奥で鳴っている

誰にも聞こえないノイズ

それでも　消えないのは

きっと、本物だったから

アスファルトが濡れている

まるで　心みたいに

あの夜の足音だけが

静かに　鳴っていた