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『カカシの散歩』は、
動けないはずの存在が、
心の中だけで世界を歩き出す――
そんな静かな想像力から生まれた、のんびりしたポップソングである。
風に揺れる麦畑、傾く午後の光、
誰にも気づかれない時間の流れ。
案山子という“立ち止まった象徴”を通して描かれるのは、
急がず、比べず、ただ自分の速度で生きることの肯定だ。
メロディは素朴で、語りかけるよう。
歌声は強く主張せず、
聴く者の隣にそっと腰を下ろす。
歩いているのは身体ではなく、心。
その感覚が、ゆっくりと胸に広がっていく。
プロデュースは 明野星太郎。
過剰な感情や技巧を排し、
余白と呼吸を大切にしたアレンジが、
この曲を“癒し”ではなく、
“静かな共感”へと導いている。