

自転車に乗り 兄とふたりで
祭りに向かう その道すがら
外れにひとつ 露店を見つけ
ぼくたちは寄っていくことになりました
頭がない お店の人は
聞こえるはずのない声を出して
どちらか1人 ここに残れと
ぼくたちに選択を迫りました
[今にして思えば すぐ逃げ出せばほくらは
ふたりとも助かった かもしれないなと反省しました]
[すぐに兄の後ろに隠れ
服の裾をつかみ
盾にして震える兄の背を
躊躇いなく突き飛ばした]
ぼくはすぐに走って
家に帰りました
不思議なことにだれも
兄を知りません
何日か経ち 落ち着いた頃
お店の場所に 行こうとすると
繋がる道が 消えていたので
自転車を取り戻すことができなかった
[何か忘れて いるような気がしたけど
きっと気のせいだ 生暖かい風 頬をなでる]
[ここにいるよと声が出せず
口がないと気付き
身動き取れず四肢がもがれて
誰かの体になってく]
1つ席の余った
テーブルにつき
気に留めることもなく
夕飯を食べる
- 作詞者
4ltoRinze
- 作曲者
4ltoRinze
- プロデューサー
4ltoRinze
- シンセサイザー
4ltoRinze

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