歌詞

雪明かりが窓を満たし

部屋の呼吸がゆっくりそろう

静かな路地に粉雪が舞い

足音だけが拍を刻む

ねこが毛布に半分もぐり

胸の鼓動がやわらいでいく

指先にふれる湯気の輪

まぶたの裏で光がゆれる

ゆきあかりのよるを見つめながら

きょうの言葉をひとつずつ置く

やわらかな灯りのリズムのままに

あしたの入口がそっと開く

ガラスの外の白い余白

ランプの円が静かに揺れる

ねこのひげがきらり光って

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して肩を落とせば

遠い踏切が一度だけ鳴る

ゆきあかりのよるを見つめながら

言葉はそっと澄んでいく

白いまばたきのぬくもりだけ

胸にしまってページをめくる

影の輪郭がやわらかくなり

時計の音が雪の上を歩く

ねこがしっぽで前をさして

夢の手前へ導いてくれる

名前のない安らぎだけが

部屋の真ん中に灯っている

小さな合図で毛布を寄せて

「きょうはここでいい」とつぶやく

ゆきあかりのよるを見つめながら

きょうのページをとじていく

やさしい灯りに手をひかれて

あしたのページをひらいてく

同じテンポでならぶ心拍が

静かな終止にほどけていく

ランプをひとつ残したまま

ねこに「おやすみ」をそっと言う